日本農業の石油ヅケぶりと日本最大の石油販売業者となった農協(立花隆)
立花隆『農協』第10章。日本の農業が石油漬けだと言うことはよく聞きますが、ハウス栽培だけだと思ってたら、違うんですね。コメもすごい。地球温暖化防止のためにもエコロジストとしては考えないといけない点である。
抜き書き:
全 産業の石油需要の7%というのはすごい。これは農業生産に関してのみの数字だから、産業連関表で農業関連資機材(肥料、農薬、農機具)の中間投入分を計算 するともっとすごい数字になるだろう(この数字はキロリットルでは載っていないが、カロリーでは農業生産に直接必要なカロリーの2倍となっているので、そ れを単純に適用すると、農業関連で必要とされる石油量は全産業需要の21%となる)。
資源の無駄遣いをやめようと割り箸を使わずに自分のお箸を持ち歩くような「地球にやさしい」生活姿勢をして居られる方は、この現実も直視するべきではないか。ほとんどが露地で栽培される輸入農作物を食べることこそが、地球環境にやさしい生き方なのであるとも言えるのだ。
- 一年中どの時期にも野菜が食 べられるように露地栽培に加え施設園芸が盛んになった。施設園芸の作物別シェアはピーマン55%、キュウリ41%、トマト32%、ナス18%、スイカ 12%、イチゴ70%。施設園芸では石油を多用。俗にトマト一個に石油を牛乳瓶一ビン、メロン一個に石油缶一缶の石油を消費するといわれる。
- 日本の石油全消費量のうち1.6%(産業部門の石油需要の7%)が農業生産に使われる。500万キロリットル。その三分の一が加熱用。更にその82%が施設園芸、9%が養蚕。
- 作物別に農産物1キロ当たりに必要とするエネルギーを比較すると、コメ2266Kcal、トマト(促成)3470Kcal、トマト(半促成) 2503Kcal、トマト(露地)979Kcal、キュウリ(半促成)717Kcal、キュウリ(露地)728Kcal、ナス(半促成)486Kcal、 ナス(露地)395Kcalなど。コメが二番目に大きい。農機具、農薬、肥料を通じてエネルギーが投入されるからだ。
- 日本の稲作のエネルギーのかけ方は、アメリカのトウモロコシの十倍、イギリスの小麦の6.5倍である。
- 農協は石油の流通過程をわが手におさめようと意欲的に事業を拡大。いまは全農村需要の半分程度を握る。農協にとって、飼料、肥料、農薬と並んで儲け頭。原油の直接輸入さえも視野に入れている。
全 産業の石油需要の7%というのはすごい。これは農業生産に関してのみの数字だから、産業連関表で農業関連資機材(肥料、農薬、農機具)の中間投入分を計算 するともっとすごい数字になるだろう(この数字はキロリットルでは載っていないが、カロリーでは農業生産に直接必要なカロリーの2倍となっているので、そ れを単純に適用すると、農業関連で必要とされる石油量は全産業需要の21%となる)。
資源の無駄遣いをやめようと割り箸を使わずに自分のお箸を持ち歩くような「地球にやさしい」生活姿勢をして居られる方は、この現実も直視するべきではないか。ほとんどが露地で栽培される輸入農作物を食べることこそが、地球環境にやさしい生き方なのであるとも言えるのだ。
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Posted: Sun - September 19, 2004 at 03:31 PM Letter from Yochomachi 農業問題 Previous Next Comments
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